2:ててて [2018年9月9日 1:37:33] ID:83f828ab
「 月が 綺麗ですね 。」
さぁっと 風が頬を撫でる。
白と黄色の要り混じった 眩しい光に照らされながら 女神様は、そう言った。
その表情からして、きっと、そのままの意味なのだろう。純粋な女神様の 小さな丸い瞳は 俺ではなく 光輝く満月を見つめているのだから。
_ 月は ずっと前から 綺麗ですよ
ぽつりと呟いたその一言は 風の中 木の葉と共に空に舞い上がり、消え去った。
「 何か言いましたか ? 」
くるりと此方に視線を変え、首を傾けるその姿を微笑ましく思いながらも、尖ったしっぽをゆらゆら揺らし
_何でもありませ-ん_
なんて、いつものように 鼻下を擦って見せた。