コメント数: 8, 小説 ID: n190
[ 君は 、泣いてるじゃないか ] 小説 。  / :ー)

[ 君は 、泣いてるじゃないか ] 小説 。 / :ー)

(19/04/06 22:30:16) [ID: dbc7ea9b]
名前
コメント
8::ー) [19/04/07 10:08:04] ID:6c9d1f17
「あ…、あ の 、…」

私は久しぶりに「イヤだ、」以外の言葉を口にした気がした。

「 ごめんなさい 」

それを聞くと相手は少し目を丸めた。

「何がごめんなさいだ、フツーはありがとうだろーが、!」

あれ、怒らせてしまったのか…?わたしはそれに対してもう一度「ごめんなさい」と言った。

すると彼は溜め息をつく。視線を落とすと、彼の手には、病院の人が付ける様な手袋がはめられていた。

「それは…?」
7::ー) [19/04/07 10:04:53] ID:6c9d1f17

「チッ、…コノヤロ、何見てんだよ」

彼は自分を見つめるわたしから目を逸らして、舌打ちをした。

口は悪いけど、この人が__



あの時私は、気が動転して暴走して、いつの間にか気を失っていた。

そこからの記憶はない。

だから、目の前の彼が、ここ__保健室に連れてきてくれたんだ。
6::ー) [19/04/07 10:02:04] ID:6c9d1f17


目を覚ますとそこは、白い天井だった。

あれ、わたし 今 寝てる…

起き上がると、横には男の子が座っていた。

整えたらきっと綺麗な無造作に跳ねた紺の髪。鋭く光る黄色い目。

機嫌の悪そうな顔。規則に反する制服の着方。

…これが、不良、? もしそうなら、想像してたのよりそんなに怖くない。

わたしは彼を見つめたままこてん、と首をかしげた。
5::ー) [19/04/06 22:48:07] ID:dbc7ea9b
わたしは多くの人が居るそこで彼を突き飛ばした。

手を挙げられる前に、なにかしなきゃ。

でも、もしこの人が傷付いたら…

そんなこんなで頭を悩ませている内に、気は動転していた。

突き飛ばされた男の子は、跡形もなくなった。

白い壁に大きな紅いシミができた。

周りの人は悲鳴をあげた。わたしも気が気でなかった。
4::ー) [19/04/06 22:45:33] ID:dbc7ea9b
そして、半ば無理矢理 学校へ連れていかれたある日、

わたしはまた、人を傷付けてしまった。

きっかけは クラス発表だった。

壁に貼り出されたそれを必死に見つめていた。階段から一番遠い部屋。

そこで、声をかけられた。

「ねえ、」と。

振り返ると、わたしを呼んだ男の子がこちらに微笑んでいた。優しい雰囲気を感じた。

でも目を合わせられないわたしはびくんと跳ねた。また、罵声を浴びせられるんだと震えた。

「イヤだ、イヤだ、」

わたしの口癖はそれになっていた。もう、人が死ぬのを見るのは、イヤだ。
3::ー) [19/04/06 22:41:06] ID:dbc7ea9b
その子は人形を見つめたまま何も言わなかった。

ただただ、その人形を見つめたまま。動かない。
瞬きもしているか疑うほどだった。

それくらい、一人ぼっちが辛かったのかもしれない。

けれど、

わたしとその子の様な子は、“ 一人ぼっちが当たり前 ” なんだと認識されるから、

人に甘えられない。泣き付けない。

人を見て笑えない。話せない。

なにも、できない。

外から聞こえる罵声に怯えながら、

誰も傷付きませんようにと背中を丸めて

部屋の隅っこに縮こまる。

これがわたしと彼の日課だ。
2::ー) [19/04/06 22:36:46] ID:dbc7ea9b
夢を見た。

無造作に電球が剥き出された一つの電灯の灯りを頼りに、薄暗い部屋が見えた。

そこに居たのは、壊れた人形と、人形を見つめて立ち尽くす男の子。

誰だろう。

でも、“ わたしと似ていた ” 。
生まれ持った力のせいで、邪険にされ、

誰にも見られなくなった、それが、

わたしと似ていた。


うつむきつつ、血に塗れた服を見つめて、母の罵声を噛み締めていたあの時が蘇ってきたみたいで、怖かった。
1::ー) [19/04/06 22:32:44] ID:dbc7ea9b
▼ 登場人物

△ 懐人 ( かいと ) ♂ 生まれつき、触れた物を壊す能力を持っている。

○ 佐奈 ( さな ) ♀ 生まれつき、凶暴化して人を殺してしまう能力を持っている。

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