コメント数: 73, 小説 ID: n485
限界ら死(体)支部!!!【くろむ】

限界ら死(体)支部!!!【くろむ】

(2021年6月6日 22:40:44) [ID: 98de68e0]
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73:あめふる彼方 [2022年6月12日 19:29:58] ID:6032e00f
嫌いだ。
なんかもう、嫌いになりたいんだ。こんな広すぎる場所なんか。
...机を見つめても、何もないはずなのにって。
「ごめん」だけだとか、読むのがめんどくさくなるほど長いやつとか、面倒臭いから統一してほしい。
なんだか頭も痛いし雨降っててうるさいしで最悪の気分になる。なあ、お前も思うよな。
腹を空かせたあいつがぬんぬんやかましく鳴いてるよ。
「はいはい、俺ご飯の位置知らないんだけど」
.......色々捨てる物とかあるのに、面倒臭い。ほんとに。
日常の断片を切り取って全部ちぐはぐに繋いだみたいな物なんて、そんなの雨よりうるさいよ。
なんだかそれでも。
かわいそうに降り続ける雨は、ぼくたちを呪っている。
それだけなんだって。
72:鮮血の白衣 [2022年6月4日 23:22:00] ID:c17d4285
「......ぁ...」
私はベッドから体を起こす。起きてすぐに、別室に移動した。そこで一声。
「おはよう」
返答がない。
......あれ?
いつもなら、おはようが返ってくるのに。返答がない。
.....何かあったのか?
私はそう思い、電気を付けた。
パチ。
電気を付ければ、誰かいるのか分かるはず。
だが、そこには誰も居なかった。
...何で?
昨夜の記憶を辿るが、いまいち分からない。
「...???」床が濡れている事に気付いた。私は床に目を向けた。
「........ッ....」
見なければよかった。
床は赤かった。その鮮血が白衣を染めていた。
言葉にならない叫びを上げる。
「管理人....」
私は、多分、あれだ、あれだ、あれなんだ、きっと、パニックで、それで、
「なんで、なんで、なんで」本心はきっと嘘だ。
「.....ごめんなさい」

きっと、許されてはない。
71:なれない [2022年4月8日 19:24:30] ID:89a85cb2
......あれ
「どうして」
味もする、ふわふわなのもわかる。
おいしい。
それなのに、どうして
「あれ、あれ?」
どうして?
「わからない、わからない」
わからないのに、たくさん食べて、
何がわからないのか、なんでこんなに泣きたくなるのか、
「おなかいっぱいに、なれない」
あれ、あれ?
どうして、どうして、どうして?
涙がしょっぱいのも、全部全部わかるのに........
「おなかがいっぱいに、ならない」
なんで?
70:あの輝きに向かえなくとも [2022年4月7日 1:51:53] ID:e776e6b6
...なあ。
.....どう思うか、いや、
「...どう思いますか?」
「俺、か?
いや、別に......金ももらってるからな」
ああ、やっぱ
やっぱりそうだ。
「そうなんですね。
..............」
...あなたがそういう人で、
「よかっ、た」
「.........サンチェス?
.....おい、どうした、ん、だ....................」
すみません。
「こういう人で、すみません」
これしか言えないのに、これだけはっきりと言えてしまう。
........いや、
もしかたら、それすらも、
...届いて、ないのかもしれないなぁ。

俺も太陽みたいに咲きたかった。
69:春の空のよまいごと [2022年3月10日 1:20:52] ID:d0e7bf5e
私はこの世界の"春"を知りませんが、もしかしたらそれは心地よい物なのでしょうか?
「.....ええ。」
私は春を知る前にこの箱庭的施設に仕舞われた訳ですが、今でも春は見えるでしょうか?
「.....ええ。ええ。」
春は、呼吸をするだけで○ねる程の幸福はないと聞きまして。私の手元にある細やかな死は不健康なのです。
「.....ははあ。それは。」
ても、春は、健康的なのでしょう?
「.....ええ。」
私も一度、どのようなものか拝見したい物ですな。
....どうも、この会社の"春"は、存在しているというのに大して綺麗な物ではないのでしょう?
「.....ええ。」
そういえば、春に関連することで一つ。
ただの縁起の悪い噂話ではありますが、ええと...
「桜の木の下には死体がある」
...ええ、その通りでございます。丁度そんな噂話を聞きましてねぇ。
そんな、綺麗な春には死体がつきものだと、誰かが話しておりましたが、そんな訳はないと半信半疑でございまして。
「....ええ。」
ですが、私、この会社で"春"が見たいんです。
.....噂話になるぐらいなら、試して見ましょうかねぇ。
「...........」
ああ。なんと。
これは、綺麗な"春"
ですねぇ。
68:体液一滴残らず [2021年12月24日 20:59:38] ID:dbbebdb3
「ははは.............」
管理人は残酷だよなぁ.....そんな奴じゃないと仕事が務まらないのかもしれないけど。
そんな俺への命令はアブノーマリティ「溶ける愛」だってよ。見た事も聞いた事もねぇが...今更当たり前だよな。
見た目はピンク色でドロドロで......それで何か、あいつに似た温かい何かだった。生き物...だと思うんだがな。
そいつにされるのは決まって愛着作業で、それがずっと続くもんだからまるで体でも溶かされたように親交を深めて。
アブノーマリティと仲良くしても意味なんかないってのはわかってるんだけどな..........それからドロドロのプレゼントをもらったりした。これが何なのかわからないけどいつもより調子がよくなった気がしたな。
あれ.........そして....目眩、が、してき....て....自分まで...あのアブノーマリ....ティ、に...なっている....よう......な...............
「.....ぅ」
誰か、が..............
パン、と俺を撃った様な音が聞こえた。
...
俺は生きてるのか...?
不安になって、溶ける愛がいた所まで向かってみると、そこには誰もいなかった。
.......いた、はずなんだけどな。
温かい溶ける愛も、同じぐらい暖かいあいつも。
67:白紙時代を絵の具で汚して [2021年12月24日 20:23:04] ID:dbbebdb3
「ねぇ......クロウリーって、なんで絵を描き始めたの?」
「知らねぇな、物心付いた時から筆を握ってたもんで」
「じゃあ思い出すまで待ってるよ」
「ずいぶん面倒臭い性格してんな....まあ、やってみるよ」
なんだったっけな....赤ん坊の頃は、親と暮らしてた気がする....
ても俺が二足歩行で歩けたり、普通に喋れたりする頃にはもういなくなってたな。
それで泣き喚いたり自暴自棄で外をふらついて遊んでたりしたっけ?金は置いてあったからな。なぜか。
ああ、そうだった、俺が絵を描き始めた理由って。裏路地にまで行ってしまった時、見かけたんだった。
「君はどこから来たの?」やら「ここには来ちゃダメだよ」やらうるさい奴だったっけな...頬が赤と黄で汚れてたり、筆を握ってたり、それが妙に変で面白かったっけ。
「何してる?」って聞いたら..............
ああ、これ以上は思い出せないな。
「じゃ、続きは思い出せたらな。」
66:黒に食われて [2021年12月15日 23:08:33] ID:78fbd96b
まだ雨がアスファルトに滲み、雨上がりの匂いと微かに日の匂いがする午前でした。
首をかしげながらコトコトと軽快に靴を鳴らし、そっとその穴に近付いて私はゆっくりと覗きこみました。
それは雨上がりの綺麗な空模様とは裏腹に、黒で光一つもなく混じりけが一切ない様子でした。
何を思ったのか、私はその穴をじっと見つめた後、指を一本、入れてみて、少し様子を見た後、二本、三本と入れていきました。
親指も入れとうとう左手の指五本を穴に食べさせた後、私は妙に心地よい感触を不思議に思いながらも、また馬鹿馬鹿しくもなってきたので指を抜こうとしました。
私はなんだか面倒臭くなってきて、穴に入れた時より豪快に、五本一気に指を抜きました。
特に痛みも感じず私は抜いた指に視線を向けると、
指が全部消えてなくなっていました。
その指の断面は、穴と同じような黒で、混じりけ一つもなかったのです。
驚いて辺りを見回すと、穴はもう消えて無くなっていました。おそらく満足して帰っていったのでしょう。
「ねえ、君のその手ってどうしたの?」
「別になんとも?ちょっと事故があっただけ。」
65:機械は本に囚われた [2021年12月10日 21:50:09] ID:d0e7bf5e
「私、最近小説を書くのが好きで」
「ふーん.......エリサ、いいやチーフ、
あんたが小説書くなんて珍しいね。」
「珍しいでしょう?」
「そりゃ部屋開けたらいつも「グオオオ」みたいな呻き声聞こえるぐらいにはゲー廃なあんたが」「ちょまてまてそれは言わないで特に
安全の
よく響く
廊下で言わなくても」
「......まあ、それでなんで急にそんな事を思い立ったのさ、
どうせゲームの影響だとは思うけど」
「あら?よくわかったね、そうそうゲームの影響」「まああんたの事だから最初からそうだと思ったけど」「それを知ってた上で大声で私の趣味を暴露したのはわざとだね??????????」
「と......まあそんな訳でそういうのに没頭してる訳だけど、影響を受けたのは「本を読む事」だけなんだ。勿論作品内に本を書いている描写はない。」
「...だったら、なんで急に書こうとしたのさ」
「私に合う本が見つからなかったんだ。
私が憧れた"文章"は、「どこか綺麗で、不思議で、そして不気味で、悲しくとも捉えられるけどやっぱり綺麗な世界」なんだ。ややこしいだろう。でもそれが望んだ"文章"だからさ。」
「そう........恋愛小説も推理小説も喜劇もダメ。あんたには随分とこだわりがあるんだね?」
「そらそうさ。恋愛した事も、事件に遭遇した事も、なんなら面白いことだって一切なかった。
...どうせ読むなら、身近な環境の物語が一番体に馴染んで面白いんだ。」
「.......となると、その「どこか綺麗で、不思議で、そして不気味で、悲しくとも捉えられるけどやっぱり綺麗な世界」は、身近にあると言うんだね。もしかしなくてもさ.......会社の事なんだよね?」
「......なんで君はすぐ私の気持ちを読み取れてしまうんだろうね?」
「ははは、何日同じ場所で働いてると思ってんの。それぐらい当たり前じゃない?」
64:味覚の人殺し [2021年11月28日 0:42:35] ID:daf25178
手を付けたスープはすっかり冷めて、口に含むと何かを思い出しそうになっていた。
多分、それは死ぬほど甘くて、嫌になるほどしょっぱくて、苦しくなるほど酸っぱくて、吐きそうなほど苦くて、
頭がおかしくなるほどおいしかった。
金属のスプーンがカタ、と音を少しだけ立てて、何も知らない静かな部屋は呆然としているようで。
僕は立ちすくむだけでいた。
「あ、あー.......
.................」少しだけ声を出すとそれはふっ、と鼻で笑われてから消える。何かに傷つけられて、また立ちすくんだ。
ああ、僕は、やっぱり、こういう所は大の苦手だ。
これは、気が狂うどころじゃない、もう死にたくなるほど嫌だ、嫌だになるのに、
ただをこねる僕の味覚がそれを手離したくなかったようで。
63:怠惰は死ぬ事すら拒む [2021年11月24日 17:05:36] ID:dbbebdb3
だるい。
ただひたすら、何もしたくないような、そんな最悪の気分で。
いつもは暇じゃないのに、今日は急に"暇"が入ったからなおさら何もしたくなくなる。
.....忙しい時には休みが欲しいとずっと思ってたのに、それが手に入ると逆に嫌だなんて。
いつもは、嫌悪感と、あとは、死にたくなるような気持ちばかりで。ああ、今なら一人で静かに死んでしまえるような気がするけど。
でもな、ああ、それすらも面倒臭くて。
いつもが暇じゃないばっかりに。
怠い。
62:俺にとってだよ [2021年11月22日 1:58:24] ID:a09b9564
ぐちゃ。
そう、聞こえた気がした。
俺はその肉塊に近寄り、そいつの存在を思い出す。
紫色の髪の毛と、閉じたぐるぐる混沌の目と、強い強い黄昏装備。
......"そいつ"は、多分俺の大事な人だったんだろうな。親友って所か?
でも今は、ただそいつへの興味は、全部食欲であって。
ああ、残飯の後始末も、考えておかないと。
しっかり手に握り、口一杯に詰め込むと、吐きそうなほどの血の匂いでむせかえる。
口と手を赤色に染めて、でも俺が言う感想ってたった一つなんだろうな。
.........ああ!
「おいしくないなぁ」
61:無音でいたいから [2021年11月22日 1:43:48] ID:a09b9564
...何故だか、ずっとずっと無音を体験した事がない。
いや、無音というより、本当の無音、の方が正しい。
ずっとずっと、騒音に囲まれた。
それは思ったより優しくて、綺麗な騒音で。ずっと聞いていたら涙が溢れてくるような。
そんな柔らかい騒音は、涙が溢れた後に気が狂いそうな存在だった。
でも、深夜には、やっと無音になるはずだった。
時計だけがそれの邪魔をした。
カタ、コト、カチ、カチ。鳴り続け、鳴き続け、たまにずれて、それはそれは不器用なメトロノームのよう。
だから自分はずっと気が狂ってるんだ。
.......いいや、自分じゃなくて、私が。
60:一人きり、愛のゴミはこちらに [2021年11月16日 16:26:14] ID:1923985f
ぽつぽつ、一人きり。
手に持った10Lと。
ただただ、歩いてくしかないの。
そのゴミは不要物で、もういらないと割り切られた物だから。
もう捨てなきゃいけないの。
明日になってしまったら
きっとまた、空っぽになって。
午前3時の今頃だから
きっと"それ"は連れていかれないの。
いらない物は、
まとめて捨てなきゃいけないから。
さびしい、さびしい。
ゴミ捨て場にまた愛を置いてく。
59:湯気を囲みする会話は、当たり障りの無かった物。 [2021年11月14日 22:34:55] ID:8376c372
「ねぇ、」突然ミホが声を上げる。
「どうした?何かが脱走したか?」
「いや、そうじゃなくて、ずっと私が皆に聞きたかったこと、今思い出したの」
「ふーん....それって何だ?」興味なさげにダンテが聞く。その言葉に、
「皆って好きなアブノーマリティとかいるの?と、ずっと聞きたかった割りには結構普通の言葉で。
「好きなアブノーマリティ...
お前の事だから恋愛話でも持ちかけるかと思ったけど、違うんだな」
「ならそうしてほしかった?」とミホが言うと「いや、やっぱいい、」とダンテがすぐに返答した。
「好きなアブノーマリティか、俺は直ぐに思い付きそうにないな、他から聞いてくれ」
「ん.....じゃあ、クイン」ミホがクインを指差す。
「え...私?まあいいや...もう検討ついてるし、私は空虚な夢が好きかな...結構お世話になったんだ、色々とね」
「それと、クインは可愛い物が好きだから」と、ジュリエットとエマが声を合わせてからかう。
「ッ....!!本当、そういう時だけ気が合うのどうにかしてほしい..........大体、そっちはどうなの?」とクインが質問を返す。
「私は...........ラ・ルナかな、やっぱり」「案外普通だね、ジュリエットは?」「俺は....憎しみの女王」
「やっぱジュリエットも可愛い子好きじゃん」と、クインがオウム返しのようにからかう。
「こっちだって...色々お世話になってるから」必死に弁明するジュリエット。
「あ、思い出した」「あ、好きなアブノーマリティ?ダンテも思い付いたんだ」「俺は、規制済みが好きだな」「規制済み?いつそいつの作業なんかしたの」
「結構前さ、管理人に何回も命令されて、でも嫌ではなかったから好きなんだと思う」
「そっかそっか、ダンテにもそういう心があるんだね、
それじゃあ、ミホはどうなの?」クインがそう聞くと、
「私は、
私は裸の巣が好きだよ」
その言葉に皆が驚愕していた。
58:悪い [2021年11月13日 20:15:01] ID:628c1682
まあ、きっと自分しか気付かない事なんだろうけど、
ぽつぽつと頭に雨が落ちた、それで自分は納得していた。
「(雨が降ってるんだな)」
ただそれだけの納得だった。
そんな事気にしないで仕事に戻ろうとした。
そして気付いてしまった。
「(会社には雨は降らないのでは)」
此処が当たり前すぎて、全然気付かなかった。
そして、そのことにより新たな疑問を生む。
「(ならばさっきの冷たい水は何だろうか)」
そういえば、さっき、誰かが死んだとアナウンスが入った。
自分には縁もない、知らない人だったが。
「(さっきの雨は、きっと涙だろうか)」
そういえぱ、自分とは違う影が伸びていた。
そういえば、自分より背丈が高い奴がこっちにまで来ていた。
そいつの名前、思い出せやしない。
ならば幽霊とでも呼んでおこう。
57:繋いだ手はもう腐る [2021年11月12日 1:25:03] ID:6032e00f
花は青臭い。
やいやいと、投げ付けるような言葉で話される。正直まったく意味が分からない。
もう出掛けていたかった。
湿って重く、水を吸った場所よりも、乾いていて清々しい方が良かった。
また、また沈んでいく。くるぶしなら足首、足首ならふくらはぎ、ふくらはぎなら足などと、衣服など無視したままだった。
ここで離した方が楽だとも考えた。
ただ、駄々を捏ねるばかりの物がいたから。
ならば羇旅に行こうか。
56:甘い物は一口目から [2021年11月12日 1:04:06] ID:6032e00f
ベリーソースで彩られた貴方のその頭から。
混じりっけ一つもない皿にマーブルを描くところから。
私の脳を揺さぶる程の甘さを。
その、その一言の洋菓子というだけの慈愛と、慈愛と、慈愛だった。
語り尽くし、甘いだけを、苦い苦いコーヒーで無理矢理流し、洗い尽くす。
生きても生きても、いててもいてても、
最後には全てが気持ち悪くなってやめてしまうから。
それが、きっと、
"甘い物"って事。
55:甘い [2021年11月12日 0:57:02] ID:6032e00f
カップに残った砂糖、それを誰かが拾ってくれれば、
拾ってくれさえすればいいね。
54:あなたはだれ? [2021年11月12日 0:50:39] ID:6032e00f
元々一つ。カフェオレみたい。
別れてしまった何か。黒色と白色に。
それがまた一つになるために。ひとつになろうよ、と言えるために。
カップの中には、元々何が入っていた?
コーヒーと、ミルクと、
砂糖。
それは、ティースプーン二杯分でしかなかった。
カフェオレだった一人は、二つに分かれていた。
コーヒーと、ミルク、
後は砂糖。
 、
砂糖は誰?
53:やさしいコーヒーときびしいミルク [2021年11月12日 0:36:52] ID:6032e00f
お前は優しいよな。
「いつも穏やかな顔をしている。」
貴方は厳しいね。
「いつもしかめっ面じゃない?」
福祉の青い青い、青よりさらに青い箱の中でただ二人。
私の顔。
「本当に穏やかに見える?」
俺の顔。
「本当にしかめっ面に見えるか?」
マグカップに、黒と白が混ざりあって、深く調和しやがてカフェオレ。
何が間違いだ?
「本当にそう見えるけど。」
何が間違い?
「本当にそう見えるよ。」
本当本当、近くにいるのに、まったく気付かない優しさと厳しさ。
本当はな、
「これはただの軽蔑の表情なんだ。」
本当はね、
「これはただの薄ら笑いだよ。」
なんだ。
白と黒でも、結局は同じ。
52:あたたかい [2021年11月1日 21:54:42] ID:44f248ed
その種類が、その部類が、いいものであったら良かったのに。
柔らかい、柔らかい、ふわふわしたものだったら本当に良かったのに。
それは、暖かい、ではなく。
生暖かい、ものだった。
やや湿り気を帯びたそれに触れると、手がすぐに真っ赤に染まって血生臭い。
鉄らしい、きつい匂いが鼻孔いっぱいに満たされた。
また人を殺めたのか。それを目の前のあいつに問いかけると
「私は知らないわ」
だってさ。
でも、まあ、いいや。
暖かいなら、それで。
51:君はやがて食べ物に [2021年10月17日 22:39:19] ID:19d7b759
毒牙に向かって罪を吐く。
夢に抱かれ、抱かれて。
白い花を血で赤く染めた。
根まで真っ赤な茜色に。
それは美しい何か、いや、"何か"が美しい物であった事。
それは単なる私だけの美徳、言葉をピアノのように、楽譜に並べても、最終的には壊れてしまうだけ。
ただ君は、それだけを咎めるのでしょう。
何かを伝える前に、空っぽの皿にフォークを軽く刺した。コツン、とした音が更に場の空気を悪くさせて。
「...もうじき、君は死ぬのでしょう。
さようならと言う、言葉だけを残して。」
部屋にまとわりつく火薬と血の匂いだけが、私の気分を悪くさせていた。
「最終的には、気持ち悪い
だけでした。」
50:緑の葉と虚ろな髪 [2021年10月14日 18:37:23] ID:8376c372
ああそうだ、貴方と話してて思い出した事がある。
ああそうか、それは一体何だろうね。
ああそうだ、それは私の兄の事。
ああそうか、それの何を思い出したの?
ああそうだ、それは貴方によく似てた。
口調と声色がよく似てた。
ああそうか、俺で思い出すという事はよっぽど似てたんだね。
ああそうだ、まるで兄と話しているような気分になる。
ああそうか、顔が見てみたいね。
ああそうだ、顔は私によく似てた。
私と違って社交的だった。
ああそうか、ところで名前を聞いてもいいかな?
ああそうだ、今まで思い出せなかった。
だけど貴方と話していたら思い出せた。
ああそうか、その名前は?
「ああそうだ、
名前はバジル。貴方と同じ、バジルでした。」
「.......
ああそうか、偶然だね。」
49:ぐるり回ったオルゴール [2021年10月13日 0:22:03] ID:628c1682
君とオルゴールを回すの。
楽しいね。
豊かな自然の中だよ。
清々しいね。
「こうして笑い合っているだけで、私たちは生きていけるんだよ」
水の冷たさ、柔らかさ。
木漏れ日の葉に付いた朝露。
ぽたぽた落ちて、誰かの涙みたい。
ゆらりゆらり、木漏れ日がまた泣く。
死にかける前でも、どんなに絶望しても、そんな何気ない外の日常があってもいいかな。
幻想を絵に描き、無機質で寒い空気を二枚の布団で誤魔化す。
明日も頑張らなくちゃいけないんだよね。
48:それが愚かな愛でした。 [2021年10月13日 0:12:25] ID:628c1682
ドライフラワーの造花に足を入れる、その暖かみのなさにどれだけ救われた事か。
その時から夢を見ていたと言うのか。
嗚呼、なんと盲目な、愛とはその事を言うのですか。
神よ、神よ。愚かで忌まわしい私めを、どうか殺してください。
それが、それが。貴方にできる、神にできる唯一の裁きなのだから。
どうか、どうか。貴方のタガーで、その黒光りする正義と言う名の光で。
私を、私を。どうか。
47:なかれるさかなとなくさかな [2021年10月13日 0:03:32] ID:628c1682
お魚が泣いてるよ。
「魚はなんで泣くの?」
お魚は悲しいから。
「魚はなんで鳴くの?」
お魚は仲間を見つけたいから。
「魚はなんで啼くの?」
お魚は鳥ではないけれど。
「魚はなんで哭くの?」
お魚はとっても苦しかった。
「泣く魚は溶けてゆくの?」
いつかそうなったらいいね。
泣かれる魚と哭く魚。
46:大口を開けて待っている [2021年10月12日 23:57:11] ID:6032e00f
それはまた、大変な事だった。
丈の長いスーツ、それをなびかせて、また沈んでいったのだから。
それは生暖かくて、気持ち悪い何かに囲まれていて。
その何かの中で、もがき、足掻いた。
それも無駄なようで、無駄な体力だけを消費して倦怠感だけが残る。
それが揶揄のようで、気持ち悪くなり、邪推が私を襲う。
その胸に気持ち悪く残る邪推が、さらに私の中の何かを掻き立てる。
暗く、息ができない。苦しく、溺れているような感覚に陥った。
私はここで溶かされてしまうのか?分からない。一つ言えること以外には、ただ、
幸いなのはここがどこなのかが分からないことだ。
45:ぐらり [2021年10月10日 22:59:17] ID:d0e7bf5e
ふらり、ふらり。
口から出る憎悪。
ゆや、ゆや、くるり。
お前が踏み潰した虫。
ぐるり。
それはただの虫でしかなかった。
妬み、ふらり、ふらり。
口から出る憎悪。
ゆや、ゆや、くるり。
お前が踏み潰した虫。
ぐるり。
それはただの虫でしかなかった。
妬み、蔑み、ただの肉の塊。
ぐらり、ぐらり。
傾く画面と血で固まった尻尾。
断面はカビだらけのようだ。
ぐる、
異様な魚。
ただのスラックティビズムだったようだ。
44:寒気 [2021年9月26日 23:41:43] ID:14c6e75a
あなたと二人、それがきっとわからないのなら。
あなたがごろり、それもきっとわかるのなら。

空間がよく見えなくて、それでもきっといいので、私の口から出るのは黒で、それでもあなたが死んだ時にぶち撒けたのはピンク色だった。
その夢に溺れていたのか?
それで何かを図ったとしても。
その夢は叶う訳がない。
それに敵う訳もない。
ああ、私の脳の綺麗な色、白と赤を混ぜた桃色、それがきっと愛だ。
私は何色に見えるかな?
43:隣の蜂が死んだらしい [2021年9月25日 16:03:47] ID:32c9e36c
隣の蜂が死んだらしい。
隣の蜂は琥珀色だった。
隣の蜂が死んだらしい。
隣の蜂は翡翠が好きだったそうな。
隣の蜂が死んだらしい。
隣の蜂は常に誠実だった。
隣の蜂が死んだらしい。
隣の蜂は果たして生きていたのだろうか?
隣の蜂が死んだらしい。
隣の蜂は本物の「蜂」になっていた。
隣の蜂が死んだらしい。
隣の蜂は。
隣の蜂が、
42:道化師と暗黒紳士 [2021年9月25日 0:01:59] ID:32c9e36c
劣等の感情を持ち、更にはそれを人に投げつける。
助けて、助けて.....とこだまするだけの声。
救いを求め、俺は見付ける。
ただ一人で黄昏ている男を見付け。
俺は救いを求め、終わりを告げる。
「助けて、助けてくれ」
「...何故」
「もう、終わりなんだ」
「...そうか。」
男は俺の懺悔に見向きもせず。
「助けてくれないか」
「私と関わるとろくな事がない、そういう職業だ、それでもいいのか」
「もう何でもどうでもいいから早く助けて、助けてくれよ」
俺が苦しそうに言うと、その男は
「私は人の弱さにつけこむ事はできない。
何故なら私が人に酔ってしまったら後戻り出来なくなるからだ。」
男はそれだけを言い放ち、何処かへと消えた。
41:酸化銅 [2021年9月23日 23:32:58] ID:f89a295d
感情だけの線を造った。
感情だけの、私の腕を造った。
足が、動かせずに10万年とあとちょっとだけ。
まだ、ちょっと、ちょっと、
働けにいけないな。
明日に落ちた石榴の実が、
私を蝕んで、食んで。
私を、私を、私を、見つめ出して、見つけ出して。
明日に落ちた宝石の身が、
腕ごと、すり抜け、溶け落ちて、
もうわからないね。
ただ、散り、散り、塵に、なる、なら、
次は、次は、もっと、わかりやすく話そうか。
40:魔法だけの弾丸 [2021年9月23日 23:14:49] ID:f89a295d
もう終わりよ私達、もうダメなのよ私達。
弱音を吐くオフィサーがいる。
そんな人たちは、まとめて撃って、撃って、
撃ち殺してしまえ!
俺の持つ銃は何もかもを突き通す!
オフィサーを逃げたアブノーマリティと一緒に一人だけでなぎ倒していく。
陰気な俺が今だけ変われる。魔法少女になった気分だ。
撃って、撃って、ただ撃って、
弱音を吐く人だれだ?と探して、
まとめて、まとめて
撃ち殺してしまえ!
俺の頭に付いた愛と憎しみの名のもとにが光った。
39:大鍋 [2021年9月23日 21:00:42] ID:f89a295d
ただ、ただ、ただ、ぐらぐらしている。
ぐらり、くらり、くらくら、ゆらり。
そんな擬音の言葉だけを重ねても言霊にも何にもならないとは分かっているのに。
ぐら、ぐら、ゆら、ゆらら。
魔法を唱えるように、狂ったように。
擬音だけを言霊にしていく。
ぐら、ぐら、ぐらり。
ぴたりと足が止まる。
ぐら、ゆら、ふらり。
口は止まらない。
ぐら、ぐら、ゆら、ゆら。
ぐらり、ぐらり。
38:あなたを連れて [2021年9月23日 20:53:00] ID:f89a295d
前が見えない。
「こっちだよ」温もりを感じる手、優しい声色、少しだけ見える目からうっすらと映る綺麗な赤茶の髪。
「ここに座って」雨上がりの悪い物を全部打ち落とした空気、さわやかでどこか悲しい風、そしてあなたの温もり。
それでどれだけ幸せなんだろうな、俺。
ゆっくりとあなたのいる方に肩を預け、体を傾ける。
「この曲好きなんだ」ちょっと冷めたジャズの音に、あなたの暖かい声が混じる。
ちょっと珍しいね、あなたがそんな曲を気に入るなんて。
あなたは暖かい人だ、とっても暖かい人だ。
だからこそ、あなたの心が冷めきってしまわないようにする必要があるんだ。
37:甘ったれの味 [2021年9月22日 18:44:19] ID:a09b9564
夢に溺れる物の体は実に美味な物なのである。
性格、性格、ただ性格だらけを食べる。それがどれだけいいものか。
その軽蔑と嫌悪にまみれた顔から食べる?それとも命ごいをしきれずに震えるばかりの足?
貴方は外に出たいはず。だが私達はもうここから出る必要はなくなっているのだ。いつか玄関に蜘蛛の巣が張ってジョロウグモが住み着くだろう。
貴方だけじゃない、多分他の皆も幸せにはならない。
腐りきった鼠、死んだ蛞蝓と硫酸で溶けた蟻。
飛ばなくなった蛾と、蝉の泣き声。
さあ、明日まで鉈で脅して。踊ろう、ね?
早く、早く、明日まで終わらないよ。
36:水銀の海 [2021年9月16日 21:43:39] ID:1923985f
私の体を食べ尽くす、私の心も食べ尽くす。
そんな人間が、目の前にいたんだ。
私が常に座り込んでいた人工の池は、あなたと言う水銀で溺れる程に溢れ海になって。
私の周りに鮫が泳いで、その鮫肌で私の腕を傷付けるほど撫でた。
水銀に蝕まれ、食まれ、食べられ、飲まれ、
海に溺れて、幸せな夢を見る。
君みたいな人は初めてだよ。
35:夜に住む住人 [2021年9月15日 18:37:40] ID:78fbd96b
私と私、それはきっと影に飲まれてもう動けない。
強い泥沼きっとすぐ、影に飲まれてもう動かない。
ぐるぐる回り回り...目を開けても、閉じても、すぐに見えるのはいつも夜ばかりのはずだった。
夜はやだ、夜より酷い物はない、ない、ないと信じてる。
夜より酷い物、それは実在していた物、真っ暗が光を全部吸いとる事より怖い物。
夜すら来ない、朝もこない、昼と夕焼けもまだいない。
酷いものすら来なかった。
私らは夜の住人、影がない。
また光を蝕む。
34:ごみとひとだらけのまちで [2021年9月12日 10:12:30] ID:6032e00f
「僕は昔、けっこー大変だったんだよ!」
産まれた時から目の前の景色は既に裏路地。
僕は綺麗なおめめを太陽にきらきらさせながら生きてたの。
でもね、聞いちゃった。
「綺麗な目の人間はどこかに連れていかれて、裕福な暮らしをするんだって」
みんなが僕を羨んだの。僕はいやだったよ。
男の子より女の子の方が価値がある、女の子の方が幸せになれる。
でも僕はここから離れるのが嫌だったの。あたらしくできた弟もいたの。
家族と友達と、離ればなれはいやだから。
だからね、僕はおめめをきらきらさせないで、ずっと隠して歩いてたの。
ここで。
塵と人だらけの街で。
33:堕天 [2021年9月6日 22:35:09] ID:98de68e0
こんなくだらない場所、どんくさいと思わないかな?
そんなしかめっ面しないでくれよ。
これは私が君にしたい事だ。
君を必ず見下ろそう。
君を必ず見下そう。
君を必ず大切にしよう。
はは、君が死ぬなんて事させる訳がないだろう。
君が崖から飛び降りようとしたら、
私も一緒に落ちようか。
一分弱ばかりの静寂と、狂犬だらけの円舞曲を。
さあ、墜ちる所まで墜ちようか?
32:  [2021年9月6日 22:04:04] ID:98de68e0
きゅっと、して、
これでもう声が出せないね。
31:英雄にならなくていい [2021年9月6日 21:59:33] ID:98de68e0
あなたの手で私に裁きを与えてください。」

ただそれだけだったのに。
オルゴールの回す手を止めると、あなたの咳き込む音も消えて。
あなたはそれでも枯れたと自称する声を風の流れに乗せて消していった。
あなたはどうして命を投げ棄てるなんて事を。
阿呆らしいけど、あなたらしい。
ただそれだけだったのに。
なので、
そっと喉の奥を潰して、もうあなたが声を出さないように、
もうあなたが英雄にならなくて済むように。
30:英雄の讃美歌 [2021年9月6日 21:51:35] ID:98de68e0
ただ、溢れてくる。
オルゴールの中のけむたい蒸気に塗れ、むせる。
ただそれだけだったから。
ゆったりと命を投げ棄てて私は声を出すの。
枯れそうなくらい、いいや、もう枯れているけど。
私がただそこにいればよかった。
私の声を聞いて、そして私が私であればいいの。
私には、
ただそれだけだったから。
あのね、

「私の声を聞いて、そして
29:手を止めないで [2021年9月2日 18:42:17] ID:085781e3
『やさしい野原と、そこにねっころがる私がいる。
菜の花もタンポポも、綺麗に咲いて、私はとても気分がよかった。
このまま昼寝を....って思った。だけど一つだけ間違いがあったようだ。
その菜の花やタンポポは、実はユリの花とカーネーションで、私はその花弁を散らすくらい激しく地面に打ち付けられ。そして.............』

「......ダンテ...」
「なんだ...?いい所だったのに...」
「詩を書くのもいいと思うんですけど、ちょっと休憩しません?」
「そうだな....?
じゃあカフェオレ作ってくれ」
「わかりました。」
28:楽園 [2021年8月15日 15:03:57] ID:78fbd96b
楽園、なんの為にあり、貴方は何を思う、
人の救い、どうか僕をそこまで連れていけ、
また楽園で会おう。
何かぶつぶつ呟く青頭、私よりも小さな青くて幼い頭、
「何してるの?」
話しかけるとこっちを向いて、
「考えごと。」
ここじゃ一番幼くて、一番肉体が子供だった、
「何の考え事?友達?家族?それとも今日の献立かな?」
私を笑い飛ばしてくれ、と遠回しな言葉が天井を空回り。
「ううん、どれもちがうかな。
エデンの園、本にそんな言葉が書いてあった。」
「んと.....
僕って難しいこと考えられないし、ほんのちょっと思ったんだけど....
僕にエデンってつけたパパやママはどんな気もちだったのかなって。
楽園のようにあってほしかったのか?」
そうエデンの言葉は普段より静けさが増した天井によく響き。
「.....私はまだそんな事を考えるべきじゃないと思うけど。
いずれわかる物だよ、いずれね。」
エデンは失楽園の底をコツ、と叩き
「.......わかった、じゃあまたね。」
「またね。」

また会おう、楽園。
27:獲物を喰らう海 [2021年8月13日 21:35:58] ID:628c1682
海は突然やって来て、あなただけを食べ、澄ました顔で帰ってくる。
ゆったりとした海が表情を変えて、また食べ、また笑顔に戻り。
そんな中で、僕たちは生きてきたんだ。
「..........」
何も言えない。
いつもなら、二人きり、でも全然喋れるのに。
僕は、ゆっくり、目線を気配がする方へ向ける。
「.......あの」
一言話すだけでも、疲れるようで、頭のからまりが取れなくて、あなたはからまりに手を突っ込んでほどくような声で、
「.........何...?」
って、話してくれた。
僕は怖がりながら、息を整え、からまりの中の手を取らないように。
「あのね.....?ユリ.........確かに無理はしないでって言ったよ?言ったけどね........
僕、怒ってない、ないからね....もげた、のが、生足じゃないだけ、よかった、なって.......」
そんなこと、言ってほしくないのは、わかってるんだけど、それ以外に、言うことが思い付かなかった。
あなたは、
「.........わかってる...
.......明日には新しい足、届くから.....今日は無理するな...って.....」
あなたの声が、だんだん小さくなっていくのを、僕は感じた。
「うん.....無理、しなくてもいいからね...?
僕は、生きてる方の手足も無くなっちゃったら、悲しいから.....」
僕にとっての海は、世間とはかけ離れたここで、表情がころころ変わって、獲物を食べたらまた戻るんだ。
そんな海の中で、僕たちは生きてきたんだ。
下層の冷たい空気を帯びながら、僕はゆっくり、ゆっくり、あなたと海の中で、すこしだけ過ごした。
26:私の首を絞めて [2021年8月13日 20:10:30] ID:628c1682
「.......Stran......neck.................my.........ck...............」

真っ暗な闇に、聞き覚えのある誰かの声が混じる。

「Stran......gle......................my...........」

俺は音のする方に向かい、ベランダに出ると、よく知っている愛した人がそこに立っていた。
「......ダンテ?」
「Stra..........あ、サンチェスか。
こんな時間にどうしたんだ?」
「それはこっちの台詞ですよ....
ダンテこそ、ベランダで何を?」
「俺か........
俺の.......いや、なんでもない。ちょっと眠れなかっただけさ。」
「そうですか.......」
「ああ。だからサンチェスも夜更かししないで早く寝ろよ?」
「わかりました、
おやすみなさい。」
そう言い残し、俺がベランダから立ち去ったのを追うように

「..........Strangle my neck.」

と、また真っ暗な闇に聞き覚えのある声が混じる。
25:あわのなかできえさって [2021年8月7日 14:56:21] ID:e776e6b6
ゴボゴボと、まだ真っ暗で見えない液体のなか、ゆっくり息を吐く。
それが、それだけが上に上がっていくのを私は確認した。
「....まるで海に食べられたみたいだな。」
口には出すことができないその言葉を、息を吐き泡で言葉にした。

私はその液体がずっと何なのかわからないまま、ただ、ただ、深く沈んでいき、まるで自分が水草の一員になったかのように。
いずれ答えがわかる、だから身を委ねていた。

...結論から言うと、私が溺れていた液体はエンケファリンで。
どこから溢れてきたのかは知らないが私は溺れ、エンケファリンを少し飲んでしまい記憶があやふやになっていたんだ。

本当の海だったらよかったのにな。
24:脳に血を綴る [2021年8月3日 22:30:51] ID:8ccca2ec
........俺に「何でも変えて差し上げます」の作業命令が来た。
もう観測は終わっている。その観測によると
....入った職員は死亡するまで永遠に出られない。
震えが全身に走る。その痙攣は恐怖による物じゃない。
興奮による物だ。

足を一歩、また一歩、着実に、収容室に、向かって。
また、俺が、ぐちゃぐちゃに、されて、しまって。
これが、俺が、本当に、愛するべき、な物だ、って。

俺は収容室に入り、すべすべした白い肌を撫でる。
無機物特有の冷たくて愛がない感触。
ただ、それでいい。いや、それがいい。

「早く俺の脳みそに針で文字を綴ってくれよ......」

そうぽつりと呟いて、俺は針だらけで冷たい床に足を踏み入れた。

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